
自動車を所有している場合、定期的に点検を行う必要があります。自家用車の場合、12ヵ月または24ヵ月ごとに安全に関わる項目の点検を行うことが法律で義務付けられており、これを「法定点検」と呼びます。
法定点検の項目にはどのようなものが含まれ、どのようなことに注意しなければならないのでしょうか。また、車検との違いがあるのか気になる方もいるかもしれません。ここでは、これらの疑問点について詳しく解説します。
※目次※
1. 法定12ヶ月点検整備の検査項目
2. 法定24ヶ月点検整備の検査項目
3. 法定点検を実施する時の注意点
4. 法定点検の受け方
5. まとめ
■POINT
・12ヶ月と24ヶ月の法定点検では、それぞれ点検項目が異なる
・法定点検は法律で定められた義務だが、行わないからといって罰則規定はない
・法定点検を定期的に行うことで、安全性と信頼性を保つことができ、売却時には査定額が高くなることも期待できる!
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法定12ヶ月点検整備の検査項目

法定点検整備では、快適性や安全性の面を総合的にチェックします。項目は多岐に渡りすみずみまで点検するため、安心して運転ができます。
車検は基本的に2年ごとですが、定期的なメンテナンスで安心したカーライフを送るためにも12ヶ月ごとの法定点検をしっかりと実施しましょう。ここでは12ヵ月法定点検の代表的な項目について解説します。
走行装置
走行装置で確認する箇所は、主にタイヤやタイヤホイールといった車の走行に関する部分です。タイヤの場合、すり減って走行に支障がないか、ホイールナットやホイールボルトのゆるみはないか、などを点検します。
ホイールナットが緩んでいると、タイヤがはずれトラブルが起こる可能性があります。大変危険な事故につながりますので、そういったトラブルを回避するための点検です。
かじとり装置
かじとり装置とは、ハンドルやステアリングなど進行方向を操作する装置や、ギアボックス、パワーステアリングなどを指します。操作に支障が出ると、運転時に事故を起こす可能性が高くなる箇所です。
ベルトの緩みや損傷がないかのチェックをします。ベルトが破損すると、突然の走行不能や、操作不能になるため点検が必要です。
制動装置
制動装置とは、ブレーキ関係が中心です。きちんと停止できるのか、ブレーキ関連の部品に損傷がないのか点検を行います。
ブレーキペダルの遊びや踏み込み時の床との隙間、ホースやパイプの漏れ・損傷、ブレーキディスクやブレーキパッドの摩耗やディスクとパッドの隙間などをチェックします。制動装置は点検項目が多く、特に重視されている場所ともいえます。
動力伝達装置
動力伝達装置とは、エンジンのパワーを車輪などの駆動部分に伝える場所を指します。主に、クラッチやトランスミッション、プロペラシャフト部分が対象です。
クラッチペダルの遊び点検や、切れたときの床板との隙間チェック、動力伝達装置の油漏れや緩みなどの点検を行います。伝達装置部分がうまく働かないと走行ができない可能性もありますので、安全面を重視した点検といえます。
電気装置
電気装置は、点火装置やバッテリー、電気配線などの部分です。主な点検内容は、点火装置のプラグ点検、点火時期のチェック、ディストリビューターキャップの状態やバッテリーの接続状態やバッテリー自体の劣化チェック、電気配線の接続部緩みや損傷のチェックです。バッテリーは定期的な交換が必要です。普段の自己点検でも注意しておきましょう。
原動機
原動機とはエンジンを含む動力源を指します。排気やエレメントの状態や潤滑装置の油漏れ、冷却装置を動かすファンベルトの緩みや損傷、水漏れの有無をチェックします。
原動機の冷却部分が壊れると、オーバーヒート現象により走行ができません。法定点検の時だけではなく、自己点検での冷却水のチェックも大切です。
エグゾーストパイプ・マフラー
エグゾーストパイプとは、エンジンから出る排気ガスをマフラーに送る排気管のことです。排気効率の調整といった役割を担っています。また、マフラーは排気ガスを車外に出すところです。
どちらも排気に関する設備です。取り付けの緩みや損傷状況を点検します。効率的な排気を行い続けるための点検項目といえます。
法定24ヶ月点検整備の検査項目

2年ごとに行う24ヵ月点検は、2回目以降の車検と同時に行うユーザーが多いです。車検の時期に一緒に受けると、一度に両方済ませることができ効率的なためです。
24ヵ月点検の検査項目は、法定12ヶ月点検整備と大きく変わるわけではありません。しかし、いくつかの追加項目があるため、確認していきましょう。
走行装置
法定12ヶ月点検とほぼ同じ検査内容です。タイヤの状態が、すり減って走行に支障がないのかといった点や、ホイールナットやホイールボルトのゆるみがないかをチェックすることに加え、法定24ヶ月点検では、ホイールのフロントホイールやリアホイールベアリングのがたつきもあわせて点検します。
制動装置
法定12ヶ月点検と変わりありません。ブレーキペダルの遊びや、踏み込み時の床との隙間、ホースやパイプの漏れ・損傷、ブレーキディスクやブレーキパッドの摩耗やディスクとパッドの隙間などをチェックします。
かじとり装置
かじとり装置は、法定12ヶ月点検に点検内容に追加して、ハンドルの操作性やギアボックスの取り付け緩み、ロッド・アーム類の緩みやがたつきチェック、損傷などの項目を点検します。他の装置と比べると追加項目が多くなります。
緩衝装置
緩衝装置とは、車の走行中におこる機械的な衝撃を緩和する装置を指します。サスペンションやショック・アブソーバなどが点検場所です。サスペンションの緩みやがたつきや油漏れを点検します。緩衝装置は法定24ヶ月点検だけの点検項目です。
動力伝達装置
動力伝達装置については、法定12ヶ月点検の点検内容に加え、シャフト関係の点検を行います。シャフト関係の亀裂や損傷は駆動に大きな影響を与えます。シャフト関係のチェックを追加することで、動力伝達系統の安全性がより確保されます。
電気装置
電気装置も法定12ヶ月点検と同じで、追加の点検はありません。バッテリーの劣化により、突然車が止まるケースもあります。電気自動車などを所有しているのであれば、特に点検が必要な項目です。
原動機
原動機は、排気の状態、エア・クリーナ・エレメントの状態をチェックします。潤滑装置が油漏れしていないか、冷却装置を動かすファンベルトの緩みや損傷、水漏れがないかといった点検に追加して、燃料装置の燃料漏れ点検が必要です。
ガス発散防止装置
車から出る排気ガスは悪臭や有害なガスが含まれるため、ガスの発散を防止する装置が備わっています。そのための装置であるブローバイ・ガス還元装置やメターリング・バルブの状態チェックを行います。法定24ヶ月点検のみ検査が必要な装置です。
エグゾーストパイプ・マフラー
エグゾーストパイプ・マフラーは排気関係の装置です。法定12ヶ月点検では、取り付けの緩みや損傷状況のチェックを行います。
排気関係が効率的にできているかの点検ですが、24ヵ月点検では追加でマフラー機能を点検します。正しく車外に排気ガスが廃棄されているのかをチェックします。
車体
24ヵ月点検では、車体全体の点検が新たに追加されます。フレームやボディーにゆるみや損傷がないのかといったチェックを行います。目視による全体的な点検です。
車体点検は法定点検だけではなく日常的にチェックすることが必要です。法定点検だけに頼らない姿勢を持ちましょう。
法定点検を実施する時の注意点

長期間安心して乗るために、定期的に行う定期的なメンテナンスは非常に大切です。また、将来売却する際にも有利に動きます。
点検を実施する際は、どのような点に気を付けると良いのでしょうか。いくつかの注意点をしっかりと理解することで、効果的な点検が期待できます。ここでは、法定点検を行う際の注意点を見ていきましょう。
法定点検と車検の違い
メンテナンスが十分にできているのか、修理の必要な場所がないのかを確認するのが法定点検です。法定点検には罰則規定がなく、仮に不備が見つかったとしても車が道路を走れないということはありません。
一方、車検は車自体が保安基準に対して違反箇所がないのかといった検査です。検査に通らなければ、車は道路を走ることはできません。
そもそも、「点検」と「検査」ですので性質自体が異なります。車検が通ったから安全性が高いというわけではなく、最低限走れる状況をクリアしただけと考えてください。
法定点検は自分で行っても良いのか
法定点検整備を個人で行うことは可能なのでしょうか。結論からいえば、「できる部分とできない部分がある」というのが答えです。
法定12ヶ月点検の内容には、特殊な工具を使うこともなく、個人でも点検可能な項目が多く含まれています。しかし、法定24ヶ月点検は特定の工具が必要な項目が少なくありません。また専門知識やリフトアップに必要な設備も必要です。
そのため、専門業者に依頼する必要があります。車検と同時期になりますので、一緒に専門業者に任せることをおすすめします。
法定点検を受ける期間
法定点検は、いつまでに行えばいいのでしょうか。車検は期限が設定されていますが、点検には期限がありません。所有者が、希望する日にちで点検すれば問題ありません。
しかし、対象となる12ヵ月、24ヵ月のおよそ1か月前後で行うことをおすすめします。あまりにも日程がずれていると、適切なメンテナンス時期とはいえないからです。
法定24ヶ月点検に関しては、車検と一緒に行えば車検の間隔と同じになるため期限を気にすることなく点検ができます。適切な時期に点検をおこなうことで、安心安全なカーライフを送りましょう。
法定点検の期限が切れた場合
もし、法定点検から長期間経っても点検していなかった場合、何か罰則などがあるのでしょうか。法定点検には、基本的に罰則はありません。しかし、だからといって実施しなくて良いというわけではありません。
こまめなメンテナンスや点検は、車を長持ちさせるというメリットがあります。点検を行わずメンテナンスも怠っていると、車が突然故障するリスクが高まりますし、これによって修理費用が高額になる可能性も充分考えられます。快適性や安全性の為、法定点検はきちんと行うことをおすすめします。
点検整備記録簿に法定点検の記録は必要かどうか
点検整備記録簿とは、その車の点検内容や修理内容を記録しておく書類です。車の維持管理に役立ちます。
点検整備記録簿があると、過去の点検履歴や修理部分がわかりますので、最善の手が打ちやすくなります。せっかく行ったメンテナンスも、記録していなければ効果は半減します。
点検履歴や修繕履歴は、こまめなメンテナンスを行っていると評価され、売却のときに高い査定がされます。さまざまなメリットが期待できるため、点検整備記録簿への記録は、必ず付けるようにしましょう。
法定点検の証明ステッカーについて
法定点検を行った車には、丸いダイヤルステッカーを貼ることができます。これは、点検整備済ステッカーといい、定期的に点検を行ったことを示します。
必ず貼らなくてはいけないかといえばそうではありません。また、個人で行った場合は、シールを貼れません。貼っていないからといって違反ではありませんので、大きな問題はありません。
しかし、期間が過ぎた場合は速やかに剥がしましょう。そのままにしていた場合、違反となってしまいます。
法定点検の受け方

ここまでは、法定点検の意味や疑問点などを解説しました。車検と一緒に行う場合は、車検をお願いする業者にあわせて依頼をすれば問題ありません。
それ以外の場合、どこで行うことができるのでしょうか。また、費用はどれくらいかかるのでしょうか。ここからは、法定点検を行える施設や必要な費用について解説します
法定点検を受けられる施設
法定点検は、ガソリンスタンド、カー用品店、整備工場、ディーラーなどで受けられます。ただしガソリンスタンドの場合、全ての店舗で点検できるわけではないので確認が必要です。カー用品店は、スムーズな点検ができるようにネット予約など事前の準備を行うと良いでしょう。
整備工場も混み具合などによっては、点検することができなかったり、点検が後日になったりすることがあります。点検を受けたい日時が決まったら、前もって連絡しておくことが好ましいでしょう。
車を購入したディーラーであれば、車種に詳しい整備士による点検ですので安心です。部品交換やメンテナンスといった作業も、メーカー専用の部品調達も早いので、迅速な対応が期待できます。
どの施設にもそれぞれメリットがありますが、自分がもっとも信頼できるところに依頼することをおすすめします。
法定点検にかかる費用
次に法定点検費用について解説します。それぞれの車種のおおよその目安は次の通りです。
- ・軽自動車…9,000円から14,000円程度
- ・普通車…10,000円から17,000円程度
- ・大型車…12,000円から26,000円程度
法定点検で重点を置かれるのは、エンジンやブレーキ足まわり、動力系統といった点検や全体的な点検です。
ここで挙げている費用はあくまでも点検費用ですので、ここからメンテナンスや修理が必要だった場合、別途メンテナンスや修繕費用がかかります。
実施しているところによっては、割引や、メンテナンス費用のサービスやオイル交換無料といったサービスを行っているところもあります。どこで法定点検を行うのが最もメリットがあるのかを考えて、場所を決定しましょう。
まとめ

法定点検は、不具合のある個所や不具合になる恐れのある箇所を点検し、トラブルを未然に防ぐために必要なものです。運転の安全性や快適性を保ち続けられること、持っている車を長持ちさせられることなど多くのメリットがあります。
点検施設は、愛車を適切に維持管理するために、実績のある信頼できるところを選びましょう。ネクステージは、全国に110以上の店舗展開をしており、20年以上の実績があります。
また、法定点検でタイヤ交換が必要になった場合にはタイヤ新品保証がつくなど多くのサービスを提供しています。店舗によっては1台100円のオイル交換といったサービスも実施していますのでお問い合わせください。
こまめなメンテナンスで、安心で快適なカーライフを楽しみましょう。

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