車の水垢落としの手順や注意点とは？気になる汚れをすっきり落とすコツ
車の汚れは気になるものですが、特に困るのが水垢です。通常の汚れと違って水垢は簡単には落とすことができず、どうすればきれいに落とせるのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。専用のクリーナーなどもありますが、すっきり落とせる方法を知りたいものです。
この記事では、水垢の落とし方とともに、水垢ができてしまう原因や予防方法について解説します。専用商品以外の身近なもので水垢を落とす方法も紹介しますので、お役立てください。
※目次※
・水垢には大きく2種類のタイプがあり、それぞれ発生の原因は違っている。
・水垢は放置しておくと汚れを含めて落ちにくくなり、場合によっては塗装にも重大な影響を与えるケースがある。
・水垢落としは汚れ落としよりも慎重に。予防方法を知っておけばその後の対処も楽になる。
頑固な車の水垢汚れができるのはなぜ？
水垢はなぜ発生するのか、原因を知ることは大切です。原因を知れば対処もしやすくなるでしょう。水垢の汚れは大きく分けて水性と油性の2種類があります。ここではそれぞれの原因を解説しますので、予防も含めた対処方法の参考にしてください。
水性の汚れ
水性の汚れは、車体に付いたほこりなどが雨に流されることでできる汚れです。一見汚れが付着していないように見える車体でも、空気ととも漂っている小さなほこりが自然と車体に付着してしまいます。
ボディに付いたほこりは、雨が降っても完全に流れ落ちることはありません。雨によってぬれた車体を自然乾燥させるとボディに残ったほこりと一緒に乾き、水性の汚れが発生します。青空駐車など、屋外で車を保管している場合にできやすい水垢です。
油性の汚れ
車の機能面や見た目を維持するために、ボディの表面にワックスやコーティング剤を塗ることがあるでしょう。しかし効果がなくなったまま放置すると、撥水できずワックスやコーティング剤の油が油性の汚れになります。
撥水効果が薄れてきたと感じたタイミングで、新たにワックスやコーティングをすることが大切です。きちんと手入れをすれば、比較的回避しやすい水垢といえます。
車の水垢汚れは早めに落とすことが大切
車の水垢はこまめに落とさなければなりません。この段落では、なぜ車の水垢を落とす必要があるのかについて詳しく解説します。明確な理由があるので、目的意識を持って水垢落としを行いましょう。
汚れが落ちにくくなる
水垢を残したままにしておくと、汚れが蓄積して簡単には落ちません。きれいな状態を維持するためには水垢を除去することが重要なので、洗車をするときは汚れよりも水垢を重点的に落としましょう。
コーティングの効果が薄れる
水垢を放置したままにすると、コーティングの効果が薄くなります。コーティング前に水垢が付いている状態は、コーティングの膜が流れ落ちやすくなる原因のひとつです。コーティングをするときは、水垢や汚れをすっきりと落としてから行いましょう。
ボディの塗装が剥げる
水垢によってボディの塗装が剥げやすくなります。水垢がある状態で車がぬれると、水垢の部分に水滴が付いてしまい、その水がレンズの働きをして、日光などの光を集めて塗装を焼いてしまうのです。
塗装が剥がれる一番の原因は何かにぶつけてしまうことですが、水垢を残すことでも塗装が剥がれてしまうことを覚えておきましょう。
車の水垢落としをするときに用意するもの
セルフ洗車で水垢を落とすためにまず準備をしましょう。水垢クリーナーや水垢落としを重視したカーシャンプーが販売されていて、これらを用意するのが無難ですが、自宅にあるもので代用できる可能性もあります。
ここでは水垢落としのために使用するものや、専用品以外で代用できるものについても紹介します。また、専用品でも正しく使わないと逆効果になるので、使用の際のポイントも確認しておきましょう。
カーシャンプーや水垢クリーナー
水垢を落とすための道具はカー用品店などで販売されています。カーシャンプーは通常の汚れとともに水垢を落とすのにも効果があります。塗装に影響を与えないように作られていることと、水性と油性両方の水垢に同じような効果が期待できます。そのかわり、洗浄力は高くないため新しいものなど軽微な水垢に使うと良いでしょう。
水垢クリーナーは水垢落としに特化したもので、研磨剤が含まれているものもあります。洗浄力が強力な分、成分や研磨剤によって塗装を傷付けることがあるので、慎重に選びましょう。
黒い車は傷が付きにくいものがおすすめ
一般的に必要とされる水垢落としの道具は、カーシャンプーや水垢クリーナーです。しかし黒い車は傷が付きやすいため、ボディに負担をかけない研磨剤成分が入っている専用クリーナーを使いましょう。
水垢によってはカーシャンプーで落ちない場合がありますが、研磨剤入りのクリーナーの使用は控えてください。ゴシゴシとこすってしまうと、傷が付いたり塗装が剥がれたりして白い傷が目立つようになります。
もし、カーシャンプーで落ちないときは、カーショップが取り扱っている専用のクリーナーを使いましょう。
自宅にあるものを使って代用もできる
カーシャンプーや専用のクリーナーを使わなくても自宅にあるものでも水垢を落とすことができます。まずボディの場合は、台所用洗剤が使用できます。10倍程度に薄めたものを使ってカーシャンプーと同様に使えます。
注意点としては泡をしっかりと流すことです。加えて、台所用洗剤は油を分解する成分が含まれていて、ゴム部分の劣化を引き起こす可能性があるので気を付けましょう。
また、重曹も水垢落としには有効です。塗装やコーティングへの影響も少なく、特に油性の水垢には効果的です。ガラスの場合は炭酸水やお酢が使えます。お酢はガラスに発生しやすいアルカリ性の水垢を中和して落ちやすくなります。ただし、酸性が強いのでガラス以外の部分に付かないように十分注意しましょう。
セルフ洗車による水垢落としの方法
セルフ洗車でどのように水垢を落とせば良いのか詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。そこで、この段落ではセルフ洗車による水垢の落とし方を紹介します。正しいやり方で行わなければかえって逆効果になってしまうため、洗車するときの参考にしてください。
手順1.水洗いや水拭きをする
まずは、水洗いや水拭きをしてボディの表面の汚れを軽く水洗いしましょう。最初に水洗いをすることで、ガラスやボディに付着している汚れを浮かせたり、砂やごみなどの大きな汚れを落としたりできます。
ボディに砂やごみが付着している状態でこすってしまうと、塗装が剥がれたり傷を付けたりしてしまうので、全体を上から下に向かって洗い流していきましょう。
手順2.水垢を落とす
水洗いで表面の汚れを洗い流したら、カーシャンプーや水垢クリーナーをかけて水垢を落としていきます。期間が経過してしまったものなど、こびりついてしまっている水垢は入念に落としましょう。
ただし、研磨剤が入っていなくても強くこすると塗装を傷付けてしまう恐れがあるので、力の加減には注意しましょう。また、水垢クリーナーや重曹などを使用した場合は、塗装を傷めないように乾いた柔らかい布で拭き取るのがポイントです。
手順3.洗剤を流して水分を拭き取る
水垢を落としたら、シャンプーやクリーナーを水で洗い流して、乾いた布でしっかり水分を拭き取ります。洗剤が残ったままだと乾燥後、水垢となってボディに付着してしまうのです。
また、ゴム製の部分に付着すると劣化してしまうので、サイドガラス周りは特に気を付けてください。なお、水にはミネラルが含まれているため、水が乾くと水垢になってしまいます。ガラスに残った水滴も全て、乾いた布で拭き取ってください。
車の水垢落としに挑戦するときの注意点
セルフ洗車で水垢落としをする際には気を付けておきたいポイントがあります。これを守らずに自己流でしてしまうと、水垢を落とすどころか大切なボディを傷付けてしまう可能性もあります。
そのようなことを回避するために、注意するべき点を整理しておきましょう。ここでは「天候」「洗う順番」「傷付けないためのこすり方」の3つに注目して、水垢落としのポイントを解説します。
洗車に適した天候の日に行う
まずは洗車に適した天候の日に行うのが重要です。晴れの日に洗車をしようとする人も多いかもしれませんが、最も洗車に適した天候は「曇り」です。
晴れ、特に気温が高くかつ快晴の場合は、車に付いた細かな水滴がすぐに乾いてしまいます。するとそこがまた水垢になってしまうため、再び水垢掃除をしなければなりません。
軽自動車のようなコンパクトな車であれば、あまり問題はないかもしれません。しかしミニバンのような大型車は、拭き取りが間に合わない可能性もあります。なるべく「曇り」の日に洗車を行いましょう。
高いところから低いところへ向かって洗う
水垢落としをする際に重要なのは、なるべく「高いところから低いところへ向かって洗う」のを意識することです。例えば低いところを先に洗い、その次に上を洗ってしまうと、ボディ上部の汚れが下に付着する可能性があります。
ルーフから洗車をすれば、汚れがそのまま下に落ちるため、ボディを掃除しても天井のきれいさが保たれます。セルフ洗車はまずルーフから行い、ボンネットやトランク、バンパーといった順番で進めていきましょう。
塗装面に傷が付かないように優しく行う
ガラスやボディを拭く際は、塗装面に傷が付かないように優しくこするのが重要です。特にボディは傷が目立ちやすいので注意しましょう。
水垢が固着してしまうと、どうしても固い素材でこすりたくなってしまうものです。確かに汚れは落ちますが、同時に塗装面を傷付けてしまうことになります。
塗装に傷が付いてしまうと、そこから水が入り込み、さびの原因になってしまうことも少なくありません。柔らかい素材を使って、優しく拭くようにしましょう。
車の水垢は事前にできる対策で予防しよう
水垢は厄介なものですが、そのまま放置してしまうと余計に落としづらくなってしまいます。こまめに落とすことができれば良いですが、なかなか洗車に時間が取れないという方もいるのではないでしょうか。
そこで、視点を変えて水垢をできるだけ発生させないための方法を考えてみましょう。ここでは水垢を予防するための方法を解説します。予防ができれば、もし水垢ができてしまっても落とすことが楽になるのでおすすめです。
車にカバーを掛けるor室内駐車場に置く
車全体を覆う専用のカバーを掛けたり車を室内駐車場に停めたりすることは、水垢汚れの予防につながります。屋外で車を管理する方は専用のカバーをすることで、水垢の原因になるほこりを防ぐことが可能です。カバーは安価なものもあるため、お金をかけず手軽に水垢を予防したい方に向いています。
室内駐車場は、車が雨にぬれることがないため有効な手段です。完全に密閉された室内でなくても、屋根付きの駐車場であれば雨にぬれるリスクは回避できます。
定期的に洗車する
定期的に洗車をすることで、頑固な水垢汚れを予防できます。車を洗うタイミングは、2週間に1回や雨が降った次の日に行うなど、自分専用のルールを決めましょう。
ルールを決めることで、後回しになりがちな洗車を定期的に行うことが可能です。時間が経った水垢は落とすのに時間とコストがかかりますが、定期的に洗車ができればすぐに落とせるでしょう。
油膜を取る
油膜はフロントガラスに付着していることが多いワックスやコーティング剤、排気ガスによるものです。油膜は油性の水垢の原因になるため、油膜を取り除くことで水垢の防止につながります。車専用の油膜取りは低価格で販売されているため、気軽に購入できるでしょう。
油膜取りは、車の洗車が終わった後に行います。スポンジに油膜取りの液体をなじませガラスをこすり、最後に水で洗い流せば完了です。油膜取りに使うアイテムはスポンジだけなので、車に詳しくない方でも実行できます。
ボディコーティングを行う
車にボディコーティングをすることで、水垢の汚れに悩むことがなくなるでしょう。ボディコーティングをする主なメリットは以下の3点です。
・洗車が楽になる
・車の保管方法が気になりにくくなる
・車をきれいな状態で保てる
ボディコーティングをすることによって、車の表面に付いた汚れが落ちやすくなります。洗車をするときは、カーシャンプーを使わずに水洗いのみできれいになるでしょう。洗車が楽になると、屋根付きの駐車場を探したり車用のカバーをしたりする手間もなくなります。
ボディコーティングをすると車の全体に薄い膜ができ、これが水垢の発生を予防する仕組みです。また薄い膜が小さな傷から車を守るメリットもあります。車をきれいな状態に保てれば、売却するときの値段が上がるかもしれません。
■おすすめのボディコーティングの施工工程動画
まとめ
水垢は落としづらいものなので、放置して頑固な汚れになる前に落とすことが重要です。水垢には水性と油性の2つの種類があり、それぞれの原因を知ることは落とす際にも役立つでしょう。
専門のショップに依頼するだけでなく、自分で洗車をする際に水垢落としにチャレンジすることも考えてみましょう。カーショップには水垢落としのための道具が販売されているとともに、自宅にあるもので代用できることがあるので、自分の車や塗装に合ったものを選ぶことが大切です。
また、水垢の発生を予防することで、洗車の負担も減らすことができます。水垢をきれいに落としてカーライフをさらに楽しくしましょう。
▼ライタープロフィール
岩本佳美
漠然と「車関係の仕事がしたい」という想いのもと、飲食業界から自動車メディア業界に飛び込むという破天荒な人生を歩んでいる。愛車がスバルのWRXということもあり、主にスバル系の記事をWebや紙媒体に寄稿。モータースポーツが大好きで、レース観戦はもちろん、サーキット走行や24時間耐久のカートレースにも出場するなど、自らも走ることでその楽しさや面白さなどを経験しながら情報発信している。
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