マツダのラージ商品群とは?ブランド展開の戦略を徹底解説!
2022年9月にデビューしたCX-60は、従来のマツダSUVとは一線を画した、マツダのこだわりが詰まったブランド展開戦略モデルです。マツダは、ラージ商品群の第1弾と位置づけています。
マツダが掲げるラージ商品群とは何を指し、どのような特徴があるのでしょうか。そこでこの記事では、現代の車に求められている環境性能・安全性能・走行性能などをどのように兼ね備えて開発しているのか、マツダのこだわりを紹介します。
※目次※
3.ラージ商品群の第1弾として発売されたのは「マツダCX-60」
・マツダのラージ商品群とは、環境負荷低減と上級志向の顧客ニーズを満たすことを目指した大型SUVを指す
・ラージ商品群の第1弾はCX-60で、今後CX-90、CX-80、CX-70の合計4車種を展開する予定
・マツダのブランド戦略車CX-60をお得に購入したいときは中古車をチェックしてみよう
マツダのラージ商品群とは一体?
マツダは2012年以降、CX-5を筆頭にバリエーション豊かなSUVを発売してきました。いずれの車種にもマツダの技術とこだわりが詰まっているものの、CX-60だけは従来のマツダSUVとは違うと感じている人は多くいます。
CX-60は、マツダのラージ商品群第1弾モデルです。まずは、マツダのブランド展開戦略について理解を深めましょう。
環境負荷低減と上級志向のニーズを満たす商品群のこと
CX-60の主な特徴は、縦置きプラットフォームやパワートレインです。他にも、大型ボディやこだわりのある内外装デザイン、優れた環境性能・安全性能など多くの魅力に溢れています。
CX-60の特徴で示されているように、マツダが掲げるラージ商品群とは、EV移行期に求められている本質的な環境負荷低減を追求した大型ボディのSUVです。
加えて、上級志向の顧客ニーズを満たすことを目指しています。力強い走りを実現できる大型ボディ・大排気量の車を思い通りに操りたいニーズに応えつつ、優れた操縦安定性能や動力性能を追求した車です。第1弾のCX-60に続き、今後CX-90・CX-80・CX-70の合計4車種の展開を予定ています。
3つの方針で開発されている
昨今、自動車業界は大きな変革期にあると言われています。ニュースやコマーシャルなどでも、自動運転やIoT、EV、カーシェアリングなどの言葉を耳にする機会が増えたのではないでしょうか。
時代の変化に伴い変わりゆくニーズに応えるべく、マツダのラージ商品群は3つの方針で開発されました。それは、2050年までを目標としたカーボンニュートラルへの対応、幅広い価値の効率的な提供および領域拡大、車を利用する「ひと中心」の開発哲学です。
3つの方針を軸として、日本国内の顧客のみならず、海外の顧客を視野に入れて開発しています。例えば、国ごとの規制、インフラ、車の使用用途などです。幅広いニーズに応えた新たな大型SUVをラージ商品群として提供します。
マツダのラージ商品群の特徴とは?
マツダのブランド戦略であるラージ商品群には、具体的にどのような特徴があるのでしょうか。大きく分けて、プラットフォームとパワートレインの2分野における設計に違いがあります。
現代の自動車に求められているニーズをどのように満たしているか、ひとつずつ見ていきましょう。
身体の一部のように操作できるプラットフォームの設計
マツダの車づくりは、人馬一体の考え方に基づいています。ラージ商品群では、さらなる進化を遂げた「ひと中心設計」です。具体的にはエンジンを縦置きし、後輪駆動ベースAWDを採用しています。
前後重量を理想的な配分にすることにより、走行安定性の高さとハンドリングの良さを実現しました。操作性やレスポンス性が良く、車の反応を五感ですぐさま正確に感じ取れる設計であれば、手足のように車を操れます。
人間に備わっている身体拡張能力を発揮できるようなプラットフォームの設計が、ラージ商品群の大きな特徴です。
エンジン縦置き方式をベースとしたパワートレインの設計
ラージ商品群の特徴は、縦置きプラットフォームに加え、環境性能を考慮したパワートレインです。
環境性能に優れた車を開発するためには、燃料や排ガス性能、カーボンニュートラルへの備えなどを考慮しなければなりません。マツダは、独自にSKYACTIVエンジン・電気駆動システム・4WDシステム・トルクコンバータレス8速ATなどを新開発しています。
結果として、パワフルでレスポンス性が高い、優れた動力性能を実現しました。ダイレクト感やペダルワークスペースの一体感など、満足いく走りを体感可能です。
ラージ商品群の第1弾として発売されたのは「マツダCX-60」
マツダは、環境性能・安全性能・走行性能の全てを兼ね備えたラージ商品群の開発に力を注いでいます。マツダならではのデザインセンスや、こだわりのある上質なクラフトマンシップをまとったモデルです。現在、第1弾商品であるCX-60が発売されていますので、ここで主な特徴をチェックしましょう。
(参考:『CX-60(マツダ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
CX-60は2022年9月に登場
マツダは、ラージ商品群の第1弾として2022年9月にCX-60の発売を開始しました。高出力エンジンを縦置きに配置した新開発プラットフォームを採用し、環境性能および安全性能を高次元で提供した新しいクロスオーバーSUVです。
内外装デザインは、日本人の感性を意識して設計されています。ボディカラーラインアップには、禅の世界から着想したカラーも含まれており、日本人の美意識を織り込んだ独特のオーラを放つモデルです。
4つのエンジンから選べる
2022年9月にデビューしたCX-60最初のモデルは、高出力でパワフルな直列6気筒ディーゼルエンジン+モーターを搭載したディーゼルハイブリッドモデルでした。縦置きプラットフォームに48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載し、環境性能とシームレスな走りを両立しています。
2022年12月には、直列4気筒ガソリンエンジンモデル、直列6気筒ディーゼルエンジンモデル、直列4気筒ガソリン+モーター搭載のプラグインハイブリッドモデルを発表しました。
2023年10月現在、4種類のエンジンタイプから選べます。ガソリンおよびディーゼルモデルは2WDと4WDの選択が可能で、ディーゼルハイブリッドおよびプラグインハイブリッドモデルは、4WDのみの設定です。
グレードやボディカラーの人気傾向
マツダの公式発表によると、発表当初のCX-60販売台数目標は月に2,000台でした。実際には、目標をはるかに上回る受注がされており、2022年6月24日の予約受注開始から約2か月半後には月販計画台数の約4倍を受注しています。
初期受注件数の分析では、約8割がハイブリッドを含むディーゼルエンジン搭載モデルです。中でも、XD-HYBRID Premium Sportsは、気持ちの良い走りやスポーティーながらも上質感漂う内装の質感が高評価を得ています。
ボディカラーは、独特の感性に基づき開発されたロジウムホワイトプレミアムメタリックが人気です。約7割の人が、SUVの走りを満喫できる4WDモデルを選択しています。
マツダCX-60の車両価格の目安
デビュー直後から注目を集めているCX-60の車両価格が気になるのではないでしょうか。高い技術とこだわりが詰まったモデルのため、車両価格は高めに設定されています。
2023年8月に価格改定が行われました。執筆時点で最新の新車価格と中古車相場を調べてみましょう。
マツダCX-60の新車価格
4種類のエンジンタイプに分けたCX-60の新車価格(税込)は、下記のとおりです。ガソリン車は300万円台前半から、ディーゼルエンジンはそれよりも少し高い300万円台後半から設定されています。ハイブリッド車になると500万円以上の予算が必要です。
パワートレイン |
2WD |
4WD |
ガソリン |
322万3,000円~404万2,500円 |
344万8,500円~426万8,000円 |
ディーゼル |
353万6,500円~463万1,000円 |
379万5,000円~485万6,500円 |
ハイブリッド(ディーゼル) |
ー |
530万7,500円~567万500円 |
プラグイン ハイブリッド |
ー |
609万9,500円~646万2,500円 |
(2023年10月時点の情報です)
マツダCX-60の中古車相場
中古車相場の目安として、2023年10月時点のネクステージにおける税込支払総額を下記表にまとめました。ガソリン4WDやPHEVモデルは、流通台数が少ない傾向です。
パワートレイン |
2WD |
4WD |
ガソリン |
381万7,000円~398万円 |
ー |
ディーゼル |
379万9,000円~430万9,000円 |
412万3,000円~417万6,000円 |
ハイブリッド(ディーゼル) |
494万3,000円 |
456万6,000円~515万3,000円 |
プラグイン ハイブリッド |
ー |
ー |
(2023年10月時点の情報です)
ラージ商品群の第2弾は「マツダCX-90」
マツダは、ラージ商品群を公表するにあたり、合計大型クロスオーバーSUVを4タイプ販売予定と発表しています。CX-60に続く第2弾は、CX-90です。
誰もが走る喜びを体感でき、さらなる進化を遂げた環境および安全性能を装備したSUVとなることが期待されています。CX-90の魅力を一部チェックしましょう。
CX-90は2023年1月に北米で公開
マツダは、北米市場において現地時間2023年1月31日に、新型ミッドサイズクロスオーバーSUVのCX-90を初公開しました。
北米市場の顧客が求めるニーズに対応すべく、開発されたモデルです。コンセプトは「人生の航海のために」で、3列シートのワイドボディSUVとなっています。
快適性・機能性・安全性能がさらに向上した、マツダの新たなフラッグシップモデルです。現時点ではアメリカで販売されており、日本での導入は予定されていません。
日本の美意識を織り込んだ車両に仕上がっている
CX-90にも、他のマツダ車同様に独自のデザインテーマ「魂動デザイン」を取り入れています。シンプルながらも躍動感ある造形は、ダイナミックかつ独特のオーラを放つ存在感です。
北米市場の顧客ニーズを中心に開発されたものの、デザインテーマは日本の美意識を表現しています。例えば、上質な天然素材を使用した内装は、光の動きを織り込んだ風情ある室内空間です。
まとめ
マツダは、ブランド戦略の一環としてラージ商品群の開発を発表しています。ラージ商品群は、縦置きプラットフォーム採用やパワフルなエンジンを搭載した大型ボディが主な特徴です。
現代の自動車に求められている環境負荷低減を実現し、より高級志向のニーズに応えています。第1弾は、2022年9月に登場したCX-60です。今後、合計4タイプの大型SUVが発表される予定のため、アナウンスを楽しみにしましょう。
【この記事の執筆者】
田村陽子
自動車ライター
熊本県在住。これまで、国産車・輸入車・軽自動車・普通車など、20種類以上の車に乗った経験を活かしてクルマ系メディアでの執筆活動を行っている。車両整備士や車好きの友達が多く、情報交換により日々知識を向上している。
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