トヨタ SAIの歴史を解説!特徴やスペック、売買価格も総まとめ!
トヨタ SAIは、2017年に販売が終了したハイブリッド専用セダンです。扱いやすいサイズ感と先進安全装備の採用、乗り心地の良さから「小さな高級車」と呼ばれていました。
低燃費かつ上質な車を希望する方にぴったりの車種ですが、SAIの特徴やスペックを深く知らないという方もいるのではないでしょうか。
この記事では、トヨタ SAIの歴史とイメージを変えたマイナーチェンジの内容、グレードごとのスペックを紹介します。2024年4月時点の中古車相場と買取価格も紹介しますので、購入だけでなく売却を考えている方も参考にしてください。
※目次※
・トヨタ SAIは、プリウスに次ぐハイブリッド専用セダンとして2009年に誕生した。
・フルモデルチェンジは行われなかったが、2013年のマイナーチェンジではコンセプトを一新する大幅な変更が行われた。
・トヨタ SAIなどの販売終了モデルは、在庫と保証が充実したネクステージで探そう。
トヨタ SAIの歴史
トヨタ SAIは、プリウスに次ぐハイブリッド専用セダンとして2007年12月にデビューしました。次世代の車をコンセプトとしたプリウスとは異なり、5ナンバーサイズの高級セダン「プログレ」のコンセプトを引き継いでいます。
ここでは、トヨタSAIのデビューから最終モデルまでの歴史を見てみましょう。
2009年12月:初代発売
初代トヨタ SAIは2009年10月に発表、同年12月7日より販売が開始されました。車名の「SAI」は「才」と「彩」を由来としており、才は「才に満ちた先進性」、彩は「彩を放つ上質感」を意味しています。
搭載エンジンは、熱効率を向上させた「2.4L アトキソンサイクルエンジン」、搭載モーターは「2.4L リダクション機構付きTHS II」です。CO2の排出量を抑えつつ、19.8km/L(JC08モード)の低燃費を発揮します。
室内は高級セダンらしいモダンな空間でありながら、視認性と操作性が考慮されました。また、前方・後方プリクラッシュセーフティシステム(ミリ波レーダー方式)などの先進安全装備も採用されています。
2010年10月:特別仕様車の追加
トヨタは、2010年7月にハイブリッド車の国内累計販売台数100万台を達成しました。これを記念して、SAIとプリウスに特別仕様車「LEDエディション」を設定しています。
SAIの特別仕様車「S LEDエディション」は、SグレードをベースにLEDヘッドランプ、フロントフォグランプ、プラズマクラスター(マイナスイオン発生機能付き)が搭載されました。
本革巻きの木目調ステアリングホイール、ドアリムスイッチベースに木目調加飾が施されるなど、内装の高級感も高めています。
2011年11月:一部改良
2011年11月に一部改良が行われ、シート表皮やフロアカーペットなどにバイオPETを使用した「新エコプラスチック」が採用されました。
デビュー当時から環境に配慮して室内にエコプラスチックが使われていましたが、この改良により使用比率を60%から80%に拡大しています。
走行性能においては、エンジン制御による燃費向上、リアとフロントのサスペンションメンバーへの補強バー追加により、燃費性能と走行性能がアップしました。
内装へも木目調加飾の追加やフロントドアガラスにスーパーUVカットガラスを採用し、高級感と快適性を高めています。
グレード展開にも変更が行われ、スポーティーモデルの「ツーリングセレクション」、安全性能を高めた「Aパッケージ」、スポーティーかつ安全装備を充実させた「ツーリングセレクション・Aパッケージ」が加わりました。
2013年8月:マイナーチェンジで後期型へ
2013年8月に、初のマイナーチェンジが行われました。このマイナーチェンジでは「世代を超えてカッコイイと共感できるスタイル」を目指すため、内外装を一新しています。
SAIらしい高級感を高めるべく、静粛性と走行性能を向上させ、最新のSDナビゲーション(10スピーカー付き)やアクセサリーコンセント(AC100V・1,500W)が装備されました。
グレード展開はベースモデルのS、装備を充実させた「S Cパッケージ」、上位グレードのG、安全装備を充実させた「G Aパッケージ」の4種類が設定されています。
2015年5月:一部改良と特別仕様車の追加
2015年5月に一部改良が行われ、同時に特別仕様車「G ヴィオラ」が追加されました。この改良で注目したいのが、全車のフロントドアに世界初となる「スーパーUV400カットガラス」が採用されたことです。
スーパーUV400カットガラスは、従来380mしか遮断できなかった紫外線の波長を400mまで延ばしています。これにより、車内の快適性が向上しました。
この他、コネクテッドサービス「T-Connect 」に対応したSDナビゲーションシステムが、GとG Aパッケージに標準装備されています(SとS Cパッケージはオプション設定)。
G ヴィオラは、Gをベースにした特別仕様車です。専用色「ダークバイオレット」を内装に施し、4色の専用ボディカラーが用意されています。
2017年11月:販売終了
「小さな高級車」としてさまざまな改良が行われましたが、一度もフルモデルチェンジをすることなく2017年11月に歴史の幕を閉じました。
同じハイブリッド専用車のプリウスとは差別化が図られてはいたものの、高級セダン「カムリ」と車格やコンセプトが似ていることもあり、独自の立ち位置が明確に確立できなかったことが要因と考えられています。
そのような背景もあり、SAIは2011年にハイブリッド専用車に生まれ変わったカムリと統合されました。
(参考:『トヨタ SAI人気低迷の理由は?中古車は今が買いなのかライバルと比較|新車・中古車の【ネクステージ】』)
トヨタ SAIはマイナーチェンジが功を奏した?
トヨタ SAIは、初代から高い燃費性能と環境性能、安全性能を兼ね備えていましたが、デザインの地味さから高い人気を得られずにいました。しかし、2013年のマイナーチェンジで「地味」な印象を覆します。
ここでは、2013年に行われたマイナーチェンジの詳細を見てみましょう。
コンセプトの修正で人気がアップ
SAIのコンセプトは、車名の由来でもある「才(才に満ちた先進性)」と「彩(彩を放つ上質感)」です。知性を感じさせる一方、派手さのない真面目な印象がありました。
2013年のマイナーチェンジでは「世代を超えてカッコイイと共感できるスタイル」が意識され、力強さを感じられるエクステリアに変わります。ヘッドランプは初代よりも大型で鋭くなり、スマートで流れるようなボディフォルムが特徴です。
内装はインストルメントパネルが一新され、アクセントとして木目調やメッキ加飾が採用されました。「茜(あかね)」「フラクセン」をはじめとした4色の内装色を設定し、室内の上質さも高めています。
(参考:『SAI(トヨタ)のモデル・グレードカタログ一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
燃費が向上
2011年の一部改良では、エンジン制御の改良によりJC08モード21.0km/Lを実現しましたが、マイナーチェンジではハイブリッド制御の改良によりJC08モード22.4km/Lを実現しました。
当時の燃費基準「平成27年度燃費基準+20%」を達成し、CO2排出量を104.0g/kmに抑えたことから「平成17年排出ガス基準75%低減レベル」の認証も受けています。
(参考:『SAI(トヨタ)の燃費情報|新車・中古車の【ネクステージ】』)
より向上された乗り心地
マイナーチェンジでは、スポット打点を追加しボディ剛性の強化が図られました。加えて、空気抵抗を減らす「エアロスタビライジングフィン」を設定し、走行安定性を向上させています。
GとG Aパッケージは、オプションで「パフォーマンスダンパー」も装着可能です。より質の高い乗り心地と操舵性を味わえます。
また、吸音材と遮音材の増強、遮音ガラスの採用、エンジンマウントの改良により、静粛性が大幅に向上しました。
トヨタ SAIは選べる走行モードが魅力
トヨタ SAIは、発売当初から通常の走行モードに加え「エコドライブモード」「EVモード」の2種類の走行モードが設定されています。2013年のマイナーチェンジでは、新たに「スポーツモード」が追加されました。
エコドライブモードは、燃費を優先させる走行モードです。ONにすることでアクセルの踏み込みに対する駆動力を緩やかにし、エアコンの作動を抑えます。EVモードは、駆動用モーターのみで走行するモードです。騒音とガス排出量を抑えられます。
スポーツモードは、アクセルレスポンスの良いダイレクトな走りを楽しめるモードです。山岳路や高速道路での走行に向いています。
(参考:『トヨタ SAIの燃費はいい?中古でしか買えないハイブリッド専用セダンの概要|新車・中古車の【ネクステージ】』)
トヨタ SAIの主なグレードとスペック
最終モデルのトヨタ SAIは、大きく「G」と「S」の2つ、細かくても4つとシンプルなグレード展開です。基本的な違いは「装備」のため、グレードによるスペックの差はほぼありません。
ここでは、GとG Aパッケージ、SとS Cパッケージそれぞれの基本スペックを見てみましょう。
G/G Aパッケージ
GはSAIの上位グレード、G Aパッケージは、Gをベースに安全装備を充実させたモデルです。
外装のサイドマッドガード&ドアメッキモール、LEDフォグランプ、内装の本革巻き+木目調ステアリングホイール、木目調ドアトリムスイッチベースなどが採用されました。
G Aパッケージには、安全機能の「レーンキーピングアシスト」「プリクラッシュセーフティシステム(ミリ波レーダー方式)」「レーダークルーズコントロール(ブレーキ制御付き)」などが標準装備されます。
|
G |
G Aパッケージ |
全長×全幅×全高(mm) |
4,695×1,770×1,485 |
|
室内長×室内幅×室内高 (mm) |
2,040×1,505×1,210 |
|
最小回転半径(mm) |
5.2 |
|
総排気量(cc) |
2,362 |
|
最高出力 【kW(PS)/rpm】 |
150(110)/6,000 |
|
最大トルク(N・m/rpm) |
187/4,400 |
S/S Cパッケージ
SはSAIのベースグレード、S Cパッケージは、Sをベースに装備を充実させたモデルです。
サイドマッドガードにドアメッキモールがなく、ステアリングホイールは本革巻きではあるものの木目調加飾はありません。しかし、LEDヘッドランプ&LEDクリアランスランプやスーパーUV400カットフロントドアガラスはGシリーズ同様標準装備です。
S Cパッケージには、LEDフォグランプ、スーパーUV400・IRカットフロントドアガラス、自動防眩インナーミラーなどが標準装備されます。
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S |
S Cパッケージ |
全長×全幅×全高(mm) |
4,695×1,770×1,485 |
|
室内長×室内幅×室内高 (mm) |
2,040×1,505×1,210 |
|
最小回転半径(mm) |
5.2 |
|
総排気量(cc) |
2,362 |
|
最高出力 【kW(PS)/rpm】 |
150(110)/6,000 |
|
最大トルク(N・m/rpm) |
187/4,400 |
(参考:『トヨタ・SAIにかかる税金はどれくらい?税金を抑える方法を解説!|新車・中古車の【ネクステージ】』)
トヨタ SAIの売買価格は?
すでに販売が終了しているトヨタ SAIは、中古車でしか購入できません。新車購入ではハードルが高くなる高級路線セダンであっても、中古車であれば予算に縛られることなく選べるでしょう。
ここでは、トヨタ SAIの販売当時の新車価格、現在の中古車価格と買取価格を紹介します。
当時の新車価格
SAIは駆動方式がFFのみとなり、トランスミッションもCVTのみの設定です。グレード展開はシンプルですが、グレードによって標準装備、選択可能なオプション装備が変わります。以下は、最終モデル(2015年7月販売)の新車価格です。
グレード名 |
新車価格(税込み) |
S |
330万3,818円 |
S Cパッケージ |
340万6,909円 |
G |
393万8,073円 |
G Aパッケージ |
433万9,637円 |
G ヴィオラ(特別仕様車) |
399万6,982円 |
(参考:『中古車「トヨタ SAI」の賢い購入方法や探し方を徹底解説!|新車・中古車の【ネクステージ】』)
中古車価格
2024年4月時点で、ネクステージでは18台のトヨタ SAIを取り扱っています。全体数は多くないものの、デビューモデルからマイナーチェンジモデルまでそろっているため、年式ごとの選択肢は豊富です。改良タイミング別の中古車価格は、以下でご確認ください。
改良のタイミング |
|
2009年~2010年 |
62万9,000円~77万9,000円 |
2011年~2012年 |
82万9,000円~105万9,000円 |
2013年~2017年 |
99万9,000円~164万9,000円 |
(参考:『SAI(トヨタ)の中古車一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
買取相場
ネクステージでは、2024年4月時点で107件の買取実績があります。最も多く取引されているのは2010年式、次いで2011年式、2013年式です。グレード別ではSが最も多く、GとG Aパッケージも多く取引されています。以下は、直近の取引実績です。
年式 |
グレード |
走行距離 |
買取価格 |
2015年式 |
S Cパッケージ |
9万4,127km |
90万8,000円 |
2016年式 |
G ヴィオラ |
9万4,930km |
77万3,000円 |
2016年式 |
G Aパッケージ |
4万9,384km |
88万8,000円 |
(参考:『SAI(トヨタ車)の買取相場・査定実績一覧|新車・中古車の【ネクステージ】』)
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まとめ
トヨタ SAIは、2009年~2017年まで販売されていたハイブリッド専用セダンです。フルモデルチェンジをすることなく終了しましたが、複数回にわたる改良により進化を遂げています。
2013年に行われたマイナーチェンジでは、従来の地味な印象を払拭する力強いデザインに一新されました。
どの年代でも高い燃費性能と先進安全装備を備えているため、費用を抑えたい場合はマイナーチェンジ前、デザインも重視したい場合はマイナーチェンジ後を選びましょう。
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